歴史上の著名人たちの中には、自分そっくりの姿をした不気味な存在「ドッペルゲンガー」と遭遇したという噂がある。これらの体験は単なる偶然か、それとも何か不吉な前兆だったのだろうか。本記事では、ドッペルゲンガーに遭遇したとされる著名人たちの驚くべき体験を紹介する。
エイブラハム・リンカーン大統領の予言的な幻影
南北戦争時の米国大統領エイブラハム・リンカーンは、1860年の大統領選挙直後に奇妙な体験をしたと言われている。疲れて自宅のソファで横になっていたリンカーンは、鏡に映る自分の姿が二重に見えたのだ。一方の顔色が少し青白かったという。リンカーンの妻メアリーは、これは二期目の当選と命を落とすことの前兆だと解釈した。実際にリンカーンは二期目の任期中に暗殺されることとなる。
キャサリン大帝を脅かした玉座の幽霊
ロシア帝国の女帝キャサリン2世も、自身のドッペルゲンガーと遭遇したとされる著名人の一人だ。1796年、キャサリンは使用人から玉座の間に自分の姿が見えたと報告を受けた。キャサリンが自ら確認に向かうと、玉座に座る自分そっくりの姿を目撃したという。驚いたキャサリンは衛兵に発砲を命じたが、その直後にドッペルゲンガーは消え去った。この出来事の数週間後、キャサリン大帝は脳卒中で亡くなっている。
エリザベス1世が見た死の前兆
イングランド女王エリザベス1世も、自身のドッペルゲンガーを目撃したという逸話が残っている。エリザベスが寝室に入ると、ベッドに横たわる自分の姿が見えたという。その姿は青白く、動かなかったそうだ。この出来事の直後、エリザベス1世は体調を崩し、1603年3月に他界した。
ゲーテの不思議な予言的体験
ドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテも、ドッペルゲンガーとの遭遇を経験している。ある日、馬で旅をしていたゲーテは、反対方向から近づいてくる騎手が自分そっくりの姿をしていることに気づいた。その騎手は灰色と金色の服を着ていた。8年後、ゲーテは同じ道を通った際、偶然にも自分が灰色と金色の服を着ていることに気づいたという。
パーシー・シェリーの不吉な予感
イギリスの詩人パーシー・シェリーは、生涯で何度かドッペルゲンガーを目撃したと妻メアリーに打ち明けている。ある日、テラスを歩いていると自分の分身に出会い、「いつまで満足しているつもりだ?」と問いかけられたという。シェリーは1822年、29歳の若さで海難事故により亡くなった。
ギー・ド・モーパッサンの幻覚か現実か
フランスの作家ギー・ド・モーパッサンは、自身のドッペルゲンガーと頻繁に会話を交わしていたという。モーパッサンは、この分身との対話をもとに短編小説『オルラ』を執筆したとされる。しかし、これらの体験は梅毒による精神症状の可能性も指摘されている。モーパッサンは1893年、精神病院で亡くなった。
まとめ
歴史上の著名人たちのドッペルゲンガー体験は、単なる偶然や錯覚だったのかもしれない。しかし、多くの場合、これらの体験の後に不幸な出来事が起きていることは興味深い。ドッペルゲンガーの存在が科学的に証明されているわけではないが、これらの逸話は私たちに不思議な魅力を感じさせ続けている。
よくある質問
- ドッペルゲンガーを見た人は必ず不幸になるのか?
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必ずしもそうとは限らない。ゲーテのように、特に悪いことが起きなかった例もある。ただし、多くの場合、不吉な出来事の前触れとされることが多い。
- 現代でもドッペルゲンガーの目撃談はあるのか?
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現代でも時折ドッペルゲンガーを目撃したという報告はある。ただし、科学的に説明がつかないケースは少なく、多くは錯覚や偶然の可能性が高いとされている。
- ドッペルゲンガーは写真に写るのか?
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伝統的なドッペルゲンガーの概念では、幽霊のような存在とされるため、写真に写らないとされることが多い。ただし、現代では似ている人を「ドッペルゲンガー」と呼ぶこともあり、その場合は当然写真に写る。