深夜のデリバリーで、一軒の奇妙な家に遭遇した若者。その家で起きた不可解な出来事とは・・・
デリバリーバイトの不思議な体験
夜も更けた頃、寿司の配達担当としてアルバイトをしていたB君のもとに、一件の注文が入った。
閉店間際の注文に戸惑いながらも、B君は指定された住所へと向かった。しかし、到着した場所には目的の家が見当たらない。店に確認の電話をすると、住宅の隙間に家があるという不思議な情報を得た
隙間の奥に潜む古い平屋

B君は体を横にしないと入れないほどの細い隙間を発見し、躊躇いながらもその中へと進んでいった。
奥には確かに一軒の平屋があったが、それは想像を絶するほど古びた家だった。さらに、家の外にまでゴミが溢れ出している様子に、B君は驚きを隠せなかった
姿の見えないおばあさんとの奇妙なやりとり
インターホンが見当たらないため、B君は玄関のガラス戸から声をかけた。
中から返事はあったものの、おばあさんの姿は見えない。寿司を置いておくよう指示され、代金を受け取る際にも、ガラス戸のわずかな隙間から手だけが現れた。
B君は不思議に思いながらも、その場を後にした。

寿司桶の回収

10日ほど後、B君は寿司桶を回収するために再びその家を訪れた。
しかし、家は立ち入り禁止のテープで囲まれていた。「一体この数日で何があったのだ?」と不思議に思いながらも、寿司桶を探した。
玄関の外に寿司桶はあったが、想像以上に古びた様子で、まるで数年放置されていたかのようだった
衝撃の真実
寿司桶に添えられていたメモには、「ごちそうさまでした、美味しかったです。」という言葉と共に、1年以上前の日付が記されていた。
B君は愕然とする。自分が過去の世界線で寿司を配達していたという、信じがたい事実に直面したのだ。
