不気味な姿を現す鵼(ヌエ)

平安時代から伝わる妖怪「鵼(ヌエ)」は、猿の顔、狸の体、蛇の尾、虎の足を持つ奇怪な姿をした生き物だ。その姿を目撃すると、災害や疫病が起こるとされている。
2011年3月11日の東日本大震災の数日前、宮城県石巻市の漁師が海上で鵼らしき生き物を目撃したという証言がある。漁師は「猿のような顔をした得体の知れない生き物が、船の周りを泳いでいた」と語っている。
この目撃情報が広まったのは震災後だったが、地元では鵼の出現が大災害の前兆だったのではないかと噂になった。
不吉な予言をする件(クダン)
件(クダン)は、牛の体に人間の顔を持つ妖怪だ。生まれてすぐに人語を話し、未来の災厄を予言するとされている。1995年1月、兵庫県の酪農家で奇形の子牛が生まれたという報告があった。


その子牛は人間のような顔つきをしており、「大地が揺れる」という意味不明な鳴き声を上げたという。
わずか数日後、阪神・淡路大震災が発生した。この出来事は後に「件の予言」として語り継がれることとなった。
目撃情報の真偽
これらの目撃情報の真偽は定かではない。しかし、災害や不幸な出来事の前に不可思議な現象が起こるという考えは、古来より日本人の間で根強く存在している。
妖怪の目撃譚は、人々の不安や恐れを反映した民間伝承の一形態とも言える。
まとめ
鵼や件といった災厄を告げる妖怪の目撃譚は、現代においても時折報告されている。これらの話の真偽はともかく、自然災害の多い日本において、人々が何らかの前兆を求める心理の表れとも考えられる。