プチ整形の罠

抜去

この話は怪感日記の管理人の極身近な人の実体験です。ある意味こわい話なので、畑違いかと思いつつも現実を伝えたい思いでここに綴る。

18歳の夏休み

当時18歳、専門学校に通っていた友人のKちゃんは、夏休みを利用して一重瞼をプチ整形で二重にしようと考えた。

まだ学生だったので予算があまりないので、都内の安い美容クリニックで埋没法(糸で二箇所程、瞼をとめる方法)の手術を受けた。

プチ整形の失敗

手術直後は、瞼を閉じると医療用の青い糸がポツンと見える状態だったが、医師の説明によると1週間もすれば皮膚に埋まって糸は見えなくなると言われていた。

しかし、10日程待っても糸が見えていたので再度、手術を受けたクリニックに行った。

糸が緩んでいると言われたので、不信感を抱き緩んでいる糸を抜いてもらい、左側の瞼に1本、右側の瞼に2本糸が入っている状態になった。

左側の瞼が当然ながらおかしな瞼になっていたが、同一のクリニックで再手術を受ける気にはなれず、TVでCMもやっているような有名なクリニックで糸を1本抜いた部分に糸を埋没してもらった。とても手際がよく、あっという間に終わったという。

突然の痛みが襲う

それから14年が経過し、32歳になったある日、左目の瞼を閉じるとゴロゴロとし始め、だんだんと眼球が真っ赤になり始めた。

会社近くの眼科や自宅近くの眼科などに行くが、原因がわからずに軟膏や点眼が処方されるも治らない。

当時はカラーコンタクトをしていたが、カラーコンタクトをしている時だけ、まばたきをしても痛くない事に気がついた。

そこで瞼の裏側に痛みを感じさせるものが存在しているんだろうと予想した。

痛みは針金で眼球をひっかくような痛みになってきたので、18歳のときに受けた埋没法が影響しているんだと思い始めた。

埋没法で埋めた糸が悪さをしているなら、この糸を抜くしかないと思った。しかし、もう18年も前にプチ整形の手術を受けたクリニックなんて、名前も正確な場所さえも覚えていないかった。覚えていたところで、もうカルテなどは保管されていないのではないか・・・と考え、検索エンジンで抜糸をしてくれるクリニックを探した。

左瞼からの抜糸

自宅からは2時間以上かかるが、電車で行ける距離で埋没糸の抜糸を積極的に対応しているクリニックを発見し早速予約をした。

飾り気の無い簡素なクリニックだったが、瞼をひっくり返し、糸が劣化して切れて瞼の裏から飛び出ていることを教えてくれた。私の希望は左目の二箇所に埋まった糸を両方とも抜去することだった。

手術は瞼を表側から二箇所、メスで2〜3ミリカットしてそこから糸を探すという方法だった。

糸が飛び出ていたから、悪さをしていた1本は比較的簡単に抜去が終わった。

しかし飛び出てはいないが、確かに埋まっているはずの残り1本は発見できなかった。元は青い糸だったようだが、経年劣化で透明になっているようだった。

1本抜糸後

術後はしばらく殴られたようなアザと腫れがあったが、眼球の痛みから解放されて、抜去してくれたクリニックには感謝しかなかった。

しかし、Kちゃんの心はすっきりとは晴れなかった。なぜならまだ左目に1本、右目に2本の埋没糸が残っているから、この糸がまた突然切れて飛びだし、眼球を痛めつけてくるのではないか…と、爆弾を抱えて生活をしている気分だった。

再びの激痛

そしてその爆弾はそれから6年後に爆発した

次に糸が切れて眼球を痛めつけたのは、右目だった。

それはあまりにも突然で用事があって数日間地方に出かけている時だったから、例の抜去のクリニックに駆け込むこともできず、応急処置として度なしのカラーコンタクトを購入し飛び出た糸から、眼球を保護した。

右瞼からの抜糸

地方から戻り早速、例のクリニックへ出向き右目から釣り糸のような固い糸を2本抜去してもらった。

実際に抜去した糸の写真(右目)

その翌年、左目に残った1本は飛び出す前に抜去したいと考え、例のクリニックに行って瞼を切開し探してもらったが、ベテラン医師でも見つけることができなかったという。

再び左瞼からの抜糸

それからさらに5年が経過したころ、雲隠れしていた糸が存在を主張しはじめた。この時は、糸が飛び出している感覚は無かったものの、ゴロゴロとした違和感が酷く、例のクリニックのドアを叩いた。

この時はかなり長時間糸を探して、麻酔は効いているものの、瞼を引っ張ったり裏返したり、探されている時の不快感は今までで一番辛かった。

しかし、ここで弱音を吐いて中止したりすれば、再びまばたきの度に襲う不快感と付き合わなければならないから必死で耐えた。

そして、医師の「あった!」という言葉を聞いた時には本当に嬉しかった。晴れて瞼からは異物が全て取り除かれた。

実際に抜去した糸の写真(左目)

Kちゃんは曰く

これから二重瞼の整形手術を受けようとしている人は、手術方法をよく調べてから受けて欲しい。

埋没法でも糸の止め方などで手術方法が異なるようだ。できれば体内に異物を残さない方法が良いのではないかとKちゃんは言う。

どうしても埋没法を選択するのであれば、糸の経年劣化や瞼から糸が露出するリスクなどについて、しっかりと医師に確認をして、納得してから受けることをおすすめするとのことだ。

そして、何より神様から授かった生まれたままの瞼を、身体を大切にすることが最も重要だとKちゃんは語っていた。

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